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<軽犯罪法解説>侵入具携帯の罪(3号)

「正当な理由がなくて合かぎ,のみ,ガラス切りその他他人の邸宅又は建物に侵入するのに使用されるような器具を隠して携帯していた者」(1条3号)

特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律に定める特殊開錠用具の所持や指定侵入工具の携帯の禁止の拡大類型(補充関係)です。

😎特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律
・何人も,業務その他正当な理由による場合を除いては,特殊開錠用具を所持してはならない。(第3条)
・何人も,業務その他正当な理由による場合を除いては,指定侵入工具を隠して携帯してはならない。(第4条)
・ 第3条・第4条の違反は,1年以下の懲役又は50万円以下の罰金(16条)
😎特殊開錠用具とは(同法2条2号)
・ピッキング用具(錠に用いられるシリンダーをかぎを用いることなく,かつ,破壊することなく回転させるための器具をいう。)その他の専ら特殊開錠(施錠された状態にある錠を本来の方法によらないで開くことをいう。以下同じ。)を行うための器具であって,建物錠(住宅の玄関その他建物の出入口の戸の施錠の用に供する目的で製作される錠。1号 )を開くことに用いられるものとして政令で定めるものをいう。
特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律施行令1条
①ピッキング用具
②破壊用シリンダー回し(特定の型式の建物錠のシリンダーに挿入して強制的に回転させることによりこれを破壊するための器具をいう。)
③ホールソー(ドリルに取り付けて用いる筒状ののこぎりをいう。)のシリンダー用軸(特定の型式の建物錠のシリンダーに挿入して用いるための軸をいう。)
④サムターン回し(建物錠が設けられている戸の外側から挿入して当該建物錠のサムターン(かんぬきの開閉を行うためのつまみをいう。以下同じ。)を回転させるための器具をいう。)
😎指定侵入工具とは(同条3号)
・ドライバー,バールその他の工具(特殊開錠用具に該当するものを除く。)であって,建物錠を破壊するため又は建物の出入口若しくは窓の戸を破るために用いられるもののうち,建物への侵入の用に供されるおそれが大きいものとして政令で定めるものをいう。
・同施行令2条
①次のいずれにも該当するドライバー㋑先端部が平らで,その幅が0.5cm以上であること。㋺長さ(専用の柄を取り付けることができるものにあっては,柄を取り付けたときの長さ)が15cm以上であること。
②次のいずれにも該当するバール㋑作用する部分のいずれかの幅が2cm以上であること。㋺長さが24cmであること。
③ドリル(直径1cm以上の刃が附属するものに限る。)

また,「合かぎ」には注意しなければなりません。例えば,離婚した後や同棲関係を解消した後,前に作った合かぎを処分しないで持っていたりすると,この罪の嫌疑がかけられるおそれがあるということです。

なお,建築屋さん,電気屋さん,水道屋さんが仕事としてこれらの工具を携帯していることは,正当な理由があるものとして,この罪には該当しませんが,もちろん泥棒をしようとしている建築屋さん,電気屋さん,水道屋さんがこれらの工具を携帯していることはこの罪に該当することになります。ただし,外形的には泥棒の意図があると判断することは難しいことなので,仮にこのような場合を検挙するには,よほどの事情が必要とされます。

よくある検挙例が自動車に工具を積んでいた場合ですので,自動車に工具を積むことはやめましょう。