弁護士の守秘義務

弁護士法23条(秘密保持の権利及び義務)
弁護士又は弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負う。但し、法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。

「法律に別段の定めがある場合」とは、後記民事訴訟法197条2項、刑事訴訟法105条但書、149条但書の場合です。

刑法134条 (秘密漏示罪)
第1項 医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士、弁護人、公証人又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときは、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。
第2項 宗教、祈祷若しくは祭祀の職にある者又はこれらの職にあった者が、正当な理由がないのに、その業務上取り扱ったことについて知り得た人の秘密を漏らしたときも、前項と同様とする。
民事訴訟法197条(証言拒否権)
第1項 次に掲げる場合には、証人は、証言を拒むことができる。
一 第191条第1項の場合
二 医師、歯科医師、薬剤師、医薬品販売業者、助産師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、弁護人、公証人、宗教、祈祷とう若しくは祭祀しの職にある者又はこれらの職にあった者が職務上知り得た事実で黙秘すべきものについて尋問を受ける場合
三 技術又は職業の秘密に関する事項について尋問を受ける場合
第2項 前項の規定は、証人が黙秘の義務を免除された場合には、適用しない。
刑事訴訟法105条(押収拒絶権)
医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため、保管し、又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、押収を拒むことができる。
但し、本人が承諾した場合、押収の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。)その他裁判所の規則で定める事由がある場合は、この限りでない。

なお、この刑事訴訟法105条は、捜査段階の捜索差押えの場合にも準用されます(刑事訴訟法222条1項)。

刑事訴訟法149条(証言拒絶権)
第1項 医師、歯科医師、助産師、看護師、弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、弁理士、公証人、宗教の職に在る者又はこれらの職に在つた者は、業務上委託を受けたため知り得た事実で他人の秘密に関するものについては、証言を拒むことができる。
但し、本人が承諾した場合、証言の拒絶が被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合(被告人が本人である場合を除く。)その他裁判所の規則で定める事由がある場合は、この限りでない。

「被告人のためのみにする権利の濫用と認められる場合」とは、本人(秘密の主体である第三者)自身にとって秘密とする利益がないのに、もっぱら被告人を有罪としないためにのみ、本人と意思を通じて秘密として拒否するような場合をいいます。

「裁判所の規則で定める事由がある場合」については、現在まで、そのような規則は定められていません。

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カテゴリー: コラム