<警察>刑事がきて「話がある」と言われた。どうしよう!

Question:

自宅にいたら、朝方に私服の警察官が来て、「聞きたいことがあるから、七曲警察まで来てくれ。」と言われました。どうしたらよいですか。

Answer:

刑事訴訟法から説明しましょう。刑事訴訟法は、「司法警察職員は、犯罪があると思料するときは、犯人及び証拠を捜査するものとする。」(189条2項)としています。「司法警察職員」とは、警察法に定める「警察官」のことです。この「犯罪があると思料する」とは、何も警察官が単に怪しいと思ったら捜査できる、というわけではなく、つまり、恣意的な判断で捜査できるわけではなく、特定の犯罪が行われたであろうと疑うに足りる客観的な事情の存在が必要であるとされています。そうは言っても、具体的には、その警察官一人が単に怪しいと思っただけではなくて、「そういうことなら誰でも犯罪があっただろうと思う」程度に怪しくなければいけないくらいの意味です。

それでは、警察官が客観的に特定の犯罪が行われたであろうと疑うに足る客観的な事情があったとして、警察官は、捜査に着手することになります。

捜査は何でもできるのでしょうか。つまり、警察が犯人だと思っているあなたの自宅に来て、「取り調べたいから警察まで来てくれ」と言って、あなたは、それに従わなければならないのでしょうか。

まず、刑事訴訟法は、「捜査については、その目的を達するため必要な取調をすることができる」(198条1項)と定めています。ここに言う「取調」とは、警察署の取調室で机に警察官と対面で向かい合って、デスクライトを挟んで行うという、あの「取調」のことではありません。

「取調」という言葉自体、法律のあちこちで使用されており、ここの条文では、捜査活動一般を指すものとされていて、この条文は、任意捜査の原則を定めたものだ、と言われています。

この任意捜査には、その手段方法には特段の制限がなく、警察官の判断と裁量によって、行うことができるものとされています。

それでは、警察官は捜査において何でもできるのか、というとそういうわけではなく、ちゃんと法律は、「但し、強制の処分は、この法律に特別の定のある場合でなければ、これをすることができない。」(198条1項但書)と定めています。

ここで「強制」とは、捜査を受ける側がその捜査を強いられる、強制されるということです。強制される、ということは、捜査を受ける側の意思に反して捜査される、ということです。

警察官が自宅まで来て、「警察まで来てくれ」ということを考えてみると、警察官が自宅まで来ることは、警察の勝手であり、そこで、あなたに「警察まで来てくれ」と言うこと、つまり「出頭要求」までは、やはり警察の勝手ですので、まだ、あなたの意思に反しているとは言えませんので、ここまでは強制の処分とまでは言えません。

その次は、あなたが決めなければなりません。

もし、警察に言って話をしたい、という場合、この場合は、捜査に協力する場合ですが、「はい、いいですよ。」と言えば、出頭要求に対して、あなたの意思で警察の出頭要求に応じたことになり、あなたが警察に出頭することは、何ら違法ではありません。

反対に、実はあなたにはやましいことがあり、警察に捕まるかもしれない、と思っているときは、出頭要求には応じない、ということになります。

すると、警察は、あなたから話を聞きたいのに、あなたが拒否したから、捜査をすすめることができないことになります。ですから、警察は、原則としては引き上げなければなりません。

しかし、先ほどの但書は逆に読めば、「強制の処分は法律に定があればできる」ということですので、警察は、あなたからどうしても話が聞きたいということなら、「強制の処分」ができるような準備をしてから、あなたに出頭要求をしているのかもしれません。

この「強制の処分」ができる準備とは何か、というと、そうです、「逮捕状」です。

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カテゴリー: コラム