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法律相談

<離婚>なぜ不倫をしてはいけないの?

Question:

どうして不倫しちゃいけないの?

Answer:

結婚(婚姻)は契約です。婚姻することにより、契約当事者つまり夫婦には権利義務が発生します。例えば、10万円の時計を売ります、これを買います、という売買契約が成立した場合に、売主は10万円の支払を請求できる権利が発生するとともに、買主には10万円を払わなければならないという義務が発生し、また、買主は売主に時計の引渡しを請求できる権利が発生するとともに、売主には時計を引き渡さなければならないという義務が発生します。

婚姻契約でも同じです。具体的にどのような権利義務が発生するかについては、民法という法律に定められています。

婚姻契約の基本型、つまり夫婦の基本型は、民法752条に、「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない」と定められています。これは一般に同居義務、協力義務、扶助義務と呼ばれ、逆には相手方にそれぞれ同居、協力、扶助を請求する権利があるということです。

ここには、「不倫をしてはいけない」という義務は定められていません。婚姻契約によってどのような権利義務が発生するかについては、直接には民法の第4編親族の第2章婚姻の第2節婚姻の効力というところに定められているのですが、そこには「不倫をしてはいけない」という義務はありません。

ということは、民法は、特に「不倫をしてはいけない」という義務を課しているわけではないとも言えそうです。

すると、法律家としては、ほかにそれらしいことを定めたところはないかと、民法を探してみるのですが、それらしいのはありました。

離婚事由を定める民法770条1項1号には「配偶者に不貞の行為があったとき」には、夫婦の一方は離婚の訴えを提起することができると定めてあります。

しかし、離婚、すなわち、婚姻契約の解除のことですが、離婚事由とは、こういうことがあった場合には、離婚する、すなわち、婚姻契約を解除することができる、ということであり、「不貞の行為をしてはいけない」という義務を夫婦に課しているわけではないとも読めるわけです。

つまり、例えば同じ条項の4号には、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」は、離婚の訴えを提起することができると定めていますが、だからといって、「強度の精神病にかかり、回復の見込みがない」状態になってはいけないという義務はないわけです。

ですから、「不貞の行為」は病気みたいなものであり、それをしてはいけないという義務まで課したものではない、とも読めるわけです。

この理屈でいけば、不倫もOKということになるのですが、現在、民法では直接は定めていないのに夫婦間には「貞操義務」という義務がある、ということになっているのです。

だから、不倫はいけない、ということになっています。