投票価値の平等


憲法14条は平等原則を定め、選挙制度における1票の価値についても平等でなければなりません。現行の選挙制度は、選挙区制を採用しており、投票価値とは、選挙区から選出される議員数に対応する有権者数の比率を比較しているものです。つまり、議員定数に対する1票の価値を論じています。この比率は限りなく地域格差にとらわれることなく、平等にしなければならないというものです。

この比率をきれいに揃えるためには、有権者の数にしたがって、選挙区を割り振る、例えば有権者を20万人ずつに区切って各1人とすれば、平等が実現できます。

あるいは、選挙区制を廃止して、選挙区一つにして、投票獲得数の多い順番に当選させるということにしても、平等が実現されます。
ただ、疑問な点があります。仮に20万票と10万票を獲得して当選した議員がいたとします。しかし、国会での採決では1議員1票ですから、20万票を獲得した議員に投票した有権者と10万票を獲得した議員に投票した有権者との間では不平等が生ずるのではないでしょうか。

そこで、憲法が国会を代表制としている以上、憲法改正を必要とすることになりますが、1人1人各国民の意見を忠実に国政に反映させるというなら、直接民主制を採用してもよいでしょう。こうなると、投票価値の平等を論ずるまでもなく、各国民の平等が実現されます。

さらに国家財政についても、憲法は国会の議決によって定めるものとしています(83条)。お金の問題です。例えば、年間1000万円を納税している有権者と年間100万円を納税している有権者について、選挙の際に1人1票として議員を選び、国会においては、1議員1票というのはいかにも不公平であると思いませんか?