わかりやすい説明

裁判官・検察官・弁護士になるための資格を取得する試験は司法試験であり、世間一般的に日本ひいては世界で一番難しい試験だと言われることもあります。そのこと自体が間違いだとしても、司法試験に合格するにはそれなりの困難が伴うことは間違いないことだと思います。

なぜ司法試験が難しいのかというと、法律が簡単には理解できないものだからだと思います。法律は国民が選挙で選んだ議員で構成される国会で制定されるにもかかわらず、法律が簡単に理解できないものであるということ自体不可解です。

確かに私などが司法試験に合格した平成3年ころには、民法、刑法、商法、民事訴訟法などは、もともとが明治時代に制定された、カタカナと漢字で書かれた文語体のもので、読みづらいことこの上ないものでした。
また、法律の構成自体が、その条文を読んで大体すぐ分かるものもありますが(例えば刑法199条の「人を殺した者は」刑罰に処せられるなど)、条文によっては、どこそこの条文を準用するとか、あちこちの条文を見なければどういうことか分からないようになっていたり、言葉の意味がそこで説明されていなかったりするからです。

ですから、弁護士が依頼者などに法律を説明するにあたっては、そのような法律のあり方を踏まえた「わかりやすい説明」をしなければなりません。

例えば、「国を訴える」ということがあります。国家公務員が国民に対して違法な行為をした場合、国が賠償責任を負う、という規定がありますが(国家賠償法1条)、日本は国民主権を採用しており(憲法1条など)、国イコール国民全体ということが憲法上の建前です。つまり、感覚的に「国を訴える」ということは、主に行政庁を訴えているような気がしますが、最終的には、国民全体が責任を負うということであり、一国民が国民全体を訴える、という構図になります。また、賠償の原資も主に国民の税金にあるということです。

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