<出資法> 浮貸しという犯罪

Question:

「浮貸し」ってなんですか?

 

Answer:

「浮貸し」を新明解国語辞典で調べてみると、「〔銀行などで〕預金を、正式の手続きを取らずに、帳簿をごまかして貸しつけること」とあります。

デジタル大辞泉には、「古い商習慣で、呉服・薬などの行商人に商品を貸しておき、あとで売れた分から代金を回収するやり方」とあります。

 

「浮く」ということばからは、帳簿には記帳しないで貸す、帳簿には載せないで帳簿から「浮かせて」貸す、というイメージがわきますので、こちらの方が実は語源に近いのではないかと思います。

 

浮貸しの禁止については、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」という法律にあります。一般に「出資法」と呼ばれていますが、出資そのものに関わる行為だけでなく、法律名のとおり、預り金や金利に関することも定められ、金融制度の枠組みを規定する金融基本法として、また、金融取引における消費者保護法として、重要な機能を果たしていると言われています(小川賢一・研修講座)。

 

この法律の第3条は、「浮貸し等の禁止」として、「金融機関(中略)の役員、職員その他の従業者は、その地位を利用し、自己又は当該金融機関以外の第三者の利益を図るため、金銭の貸付け、金銭の貸借の媒介又は債務の保証をしてはならない。」と定め、これに違反すると「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」(同法律第8条)ことになります。

 

なぜこのような行為が禁止されるかというと、、金融機関の役職員等がその地位を利用していわゆるサイドビジネスを行うこと自体が、当該金融機関の信用を失墜させ、また、その取引の相手方に不慮の損害を被らせるおそれもあることから、これを取り締まろうとする点にあると一般に解されています。

この犯罪の適用については、「その地位を利用する」とはどういうことか、「自己又は当該金融機関以外の第三者の利益を図る」とはどういうことか、など解釈上の問題点があります。

 

簡単な具体例をあげますと、ある銀行の支店長が顧客にその銀行から融資をするに当たり、銀行には内緒でその顧客から手数料を取ることを条件として、銀行からの融資を行う、などの行為が考えられます。

 

銀行から融資を受けるときなど、サイドビジネスをしている銀行マンに遭遇したことはありませんか?

 

 

 

投稿日:
カテゴリー: コラム