<刑事訴訟法> 死刑の執行

Question:

裁判で死刑を言い渡された人は、すぐに死刑になるのですか?

 

Answer:

死刑の執行は、法務大臣の命令によってなされますが(刑事訴訟法475条1項)、この命令は、判決確定の日から6か月以内になされるのが原則です(同条2項本文)。

ただし、次の期間は、この6か月にカウントされません。

1. 上訴権回復請求(362条以下)があり手続が終了するまで

2. 再審請求(435条以下)があり手続が終了するまで

3. 非常上告(454条以下)があり手続が終了するまで

4. 恩赦の出願か申出(恩赦法)があり手続が終了するまで

 

そして、この命令が出されると、5日以内に執行しなければならないことになっています(同法476条)。

 

また、執行の停止制度があり、次の2つの場合に執行が停止されます(479条)。

1. 言渡しを受けた者が心神喪失の状態にあるとき

2. 言渡しを受けた女子が懐胎しているとき

 

しかし、心神喪失の状態が回復し、出産した後には、それぞれ回復した日あるいは出産した日から475条の6か月がカウントされます。

 

ところが、この6か月の期間制限について、現実には厳守されていないようです。この規定(475条2項)は訓示規定にすぎないとする裁判例もあります。

 

ところで、わが国の刑法や刑事訴訟法などの刑事法に定められている死刑制度については、存置すべきか廃止すべきかという議論があります。世界的な潮流としては、廃止の方向へ進んでいるとみることができるでしょう。

 

死刑制度の存廃論は難しい問題ですが、私は廃止に賛成です。もともとは存続すべきとの立場だったのですが、廃止論に鞍替えしました。論理的に廃止しなければならないというわけではなく、気持ちとして廃止しなければならないという頼りない廃止論者ですが、そのきっかけとなったのが、ポーランドの映画「殺人に関する短いフィルム」でした。私が見たのは司法試験受験生のころでしたが、登場人物に新米弁護士が出てくることもあり、今では思い出深い映画です。

また、グリーンマイルも考えるきっかけとしてはよいかもしれません。

死刑の執行場所は、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律178条1項に「刑事施設内の刑場」とされ、土曜日、日曜日、祭日、年末年始(12月29日~1月3日)には失効されないことになっています(同条2項)。

 

具体的方法については、現在でも、明治6年2月太政官布告65号の方法によっているようです。この布告で絞首の方法によることとされ、前記刑事施設法179条によって、「絞首された者の死亡を確認してから5分を経過した後に絞縄を解く」ものとされています。

 

ちなみに、ご紹介した「殺人に関する短いフィルム」では絞首による死刑、「グリーンマイル」では電気椅子による死刑が描かれています。

 

 

 

 

 

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カテゴリー: コラム