<捜査手続> 告訴と捜査の着手

Question:

犯罪被害を受けたので告訴しようと思い、警察に行きましたが、警察は受け付けてくれません。

どうしたらよいでしょうか。

 

Answer:

告訴は、書面又は口頭で検察官又は司法警察員にしなければならないとされています(刑事訴訟法241条1項)。

 

しかし、司法警察員、つまり警察に告訴を出すときは、告訴を受けた司法警察員は、「速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない」とされています(同法242条)。

ですから、警察は、告訴を受けた以上、告訴を受けた事件はすべて検察官に送付する手続をしなければならないのです。

これを一般に「送付事件」と言います。

 

警察官としては、検察官に送付する以上、起訴してもらえるまで捜査を尽くして送付したい、捜査経済上も不起訴となることはわかっている事件まで捜査したくない、と考えるのが通常であると思います。

 

警察としては、起訴して有罪判決を得られる事件だけ、告訴を受けたいと考えがちですが、有罪判決を得られる見込み、というのは告訴の受理要件にはなっていません。この点が告訴事件の難しいところです。

 

逆に言いますと、警察は、証拠収集が警察にとって比較的容易で、検察官に送付すれば、ほぼ間違いなく起訴してもらえる事件については、喜んで告訴を受けてくれるということです。

 

ですから、告訴をする側としては、軽微ではない事件について、できる限りの証拠を集めた上で告訴を持ち込めば、これを受けてくれる可能性が高くなる、ということです。

 

この「軽微ではない事件について、できる限りの証拠を集める」ということについては、事件によってさまざまですから、弁護士の助言を求めた方がよいかと思います。

 

また、告訴の相手方としての検察官ですが、検察官の場合は、警察のようなしばりがかかりませんし、起訴・不起訴を決する本人ですので、比較的、警察よりは、すんなり告訴を受理してもらえると思います。

ただ、検察官は起訴・不起訴を決する本人なので、不起訴の見込みなのに告訴を受けることはよくあります。

ですから、検察官が告訴を受けてくれたからといって、これが必ず裁判になり、犯人が有罪判決を受けるということにはなりません。

 

また、検察庁の捜査体制の人員上の問題などを理由に、警察に持って行ってほしいと言われることもあります。

 

 

 

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カテゴリー: コラム