現在の絞首刑は残虐な刑罰である

私は、私の哲学として、死刑は廃止すべきだと考えています。

しかし、憲法31条は、「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。」としており、これを反対解釈すると、法律の定める手続によれば、生命を奪うことができるということになり、法律で定める死刑を容認しています。

一方で、憲法36条は、「公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。」としており、憲法31条と併せれば、現行の死刑は残虐な刑罰ではない、ということになります。死刑について正面から論じた最高裁判例(最高裁判所昭和23年3月12日大法廷判決)もこのような考え方だと言ってよいでしょう。

ところで、法律の定める死刑は、刑法が定めています。刑法11条1項は、「死刑は、刑事施設内において、絞首して執行する。」と定めており、死刑は絞首刑となっています。

先ほどの最高裁判例は、この刑法の規定を容認したのですが、「ただ死刑といえども、他の刑罰の場合におけると同様に、その執行の方法等がその時代と環境とにおいて人道上の見地から一般に残虐性を有するものと認められる場合には、勿論これを残虐な刑罰といわねばならぬから、将来若し死刑について火あぶり、はりつけ、さらし首、釜ゆでの刑のごとき残虐な執行方法を定める法律が制定されたとするならば、その法律こそは、まさに憲法第36条に違反するものというべきである。」と判示しました。

これは昭和23年(1948年)、平成30年(2018年)から70年前の裁判所の考え方ですが、現在の絞首刑は、意識のある受刑者を絞首しているはずです。なぜ麻酔をしないのでしょうか。現在の全身麻酔による手術は、麻酔により、ふと意識がなくなり、手術が終わり、目が覚めます。これを考えれば、意識のある受刑者の絞首刑は残虐であり、憲法36条に違反する、すなわち、違憲であるとしか言いようがありません。

投稿日:
カテゴリー: コラム