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<軽犯罪法解説>総論

軽犯罪法は,昭和23年に警察犯処罰令(明治41年内務省令第16号)に代わって制定されたものです。

軽犯罪法は,国民の「日常生活における卑近な道徳律に違反する軽い罪を拾うことを主眼とし」たものとされています(衆議院会議録・第2回国会司法委員会第2号)。

したがって,軽犯罪法違反の罪に対する刑罰は非常に軽いものであり,拘留(1日以上30日未満の刑事施設拘置。刑法16条)又は科料(1000円以上1万円未満。刑法17条)に処し(1条柱書),あるいは,情状により拘留及び科料を併科することができるものとされています(2条後段)。さらに,情状により刑を免除することもできます(2条前段)。

しかし,軽犯罪法は,警察にとっては伝家の宝刀です。すなわち,刑法犯などに該当しなくても,些細なことに理由をつけて逮捕することが可能になります。すなわち,別件逮捕の理由になるということです。

そのため,「この法律の適用にあたつては,国民の権利を不当に侵害しないように留意し,その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。」(4条)という規定がおかれ,警察が自己規制するように促していますが,本件が重大犯罪であるときは,軽犯罪法違反の事実を見つけてきて,こちらで別件逮捕をすると言うことは十分にあり得ることです。

実際にもカッターナイフを持っていた(2号違反),ドライバーを持っていた(3号違反),警察に嘘の被害届を出した(16号違反),ビラ貼りをした(33号違反)などの検挙例があります。

⚠ただし,軽犯罪法違反は「拘留又は科料に当たる罪」なので,通常逮捕・緊急逮捕はできますが,現行犯人逮捕については,「犯人の住居若しくは氏名が明らかでない場合又は犯人が逃亡するおそれがある場合」でないと逮捕できません(刑事訴訟法217条)。また,逮捕したとしても,住居不定でない限り,勾留することはできません(同法60条3項)。

なお,共犯については,「第1条の罪を教唆し,又は幇助した者は,正犯に準ずる。」(3条)と定められており,教唆犯も従犯も「拘留又は科料」(1条)に処せられます。つまり,従犯減軽(刑法63条)がないということです。